† Deliver Me † 我を救いたまえ |
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(The lights shift to a room in JUDGE TURPIN's house. The JUDGE is in his judicial clothes, a Bible in his hand. In the adjoining room, JOHANNA sits sewing) JUDGE : (Sings) Mea culpa, mea culpa, Mea maxima culpa, Mea maxima maxima culpa! God deliver me! Release me! Forgive me! Restrain me! Pervade me! (He peers through the keyhole of the door to JOHANNA's room) Johanna, Johanna, So suddenly a woman, The light behind your window-- It penetrates your gown... Johanna, Johanna, The sun-- I see the sun through your-- (Ashamed, he stops peering) No! God! Deliver me! (Sinks to his knees) Deliver me! (Starts tearing off his robes) Down! Down. Down... (Now naked to the waist, he picks up a scourge from the table) Johanna, Johanna, I watch you from the shadows. You sigh before your window And gaze upon the town... Your lips part, Johanna, So young and soft and beautiful-- (Whips himself) God! (Again and again, as he continues) Deliver me! Filth, leave me! Johanna, Johanna, I treasured you in innocence And loved you like a daughter. You mock me, Johanna, You tempt me with your innocence, You tempt me with those quivering-- (Whips himself) No! (Again and again) God! Deliver me! It will-- stop-- now! It will-- stop-- right-now. Right-- now. Right-- now... (Calm again, having kneed his way over to the door, he peers through the keyhole) Johanna, Johanna, I cannot keep you longer. The world is at your window, You want to fly away. You stir me, Johanna, So suddenly a woman, I cannot watch you one more day--! (Again whips himself into a frenzy) God! Deliver me! God! Deliver me! God! Deliver-- (Climaxes) God!! (Panting, he relaxes, when he is in control again, he starts to dress) Johanna, Johanna, I'll keep you here forever, I'll wed you on the morrow. Johanna, Johanna, The world will never touch you, I'll wed you on the morrow! As years pass, Johanna, You'll tend me in my solitude, No longer as a daughter, as a woman. (He is fully dressed again) Johanna, Johanna, I'll hold you here forever then, You'll keep away from windows and You'll deliver me, Johanna, From this hot red Devil With your soft white cool virgin palms... (Magisterial again, picking up the Bible, he produces a key and opens the door, the key forgotten, still in the lock. JOHANNA jumps up) JOHANNA : Father! JUDGE : Johanna, I trust you've not been near the window again. JOHANNA : (During this speech her eyes fall on the key in the lock) Hardly, dear father, when it has been shuttered and barred these last three days. JUDGE : How right I was to insist on such a precaution, for once again he has come, that conscienceless young sailor. Ten times has he been driven From my door and yet... (Breaks off, gazing at her, smitten with lust) How sweet you look In that light muslin gown. JOHANNA : 'Tis nothing but an old dress, father. JUDGE : But fairer on your young form than wings on an angel... Oh, if I were to think... JOHANNA : (Demurely, moving to the door) Think what, dear father? JUDGE : If I were to think you encouraged this young rogue... JOHANNA : (During this speech, she slips the key from the lock, hides it in her dress) I? A maid trained from the cradle to find in modesty and obedience the greatest of all virtues? Dear father, when have you ceased to warn me of the wickedness of men? JUDGE : Venal young men of the street with only one thought in their heads. But there are men of different and far higher breed. I have one in mind for you. JOHANNA : You have? JUDGE : A gentle man, who would shield you from all earthly cares and guide your faltering steps to the sober warmth of womanhood-- A husband-- a protector-- And yet an ardent lover too. It is a man who through all the yearshas surely earned your affection. (Drops to his knees) JOHANNA : (Staggered) You--?!!! (The scene blacks out) |
(ライトが移ってターピン判事の家のある部屋を差す。 ターピン判事は法服を着て聖書を手にしている。 隣の部屋でジョアンナが座って縫い物をしている) 〔判事〕 (歌う) 私の過ちだ!私の過ちだ! 私の最大の過ちだ! 私の最大のこの上ない過ちだ! 神よ、我を救い出し給え!我を解放させ給え! 赦し給え!我を抑え留めさせ給え! 我を教化し給え! (彼はジョアンナの部屋のドアの鍵穴を通して眺める) ジョアンナ、ジョアンナ、 えらく突然女らしくなった。 お前の窓の向こうの光―――。 それがお前のドレスに透き通っている…。 ジョアンナ、ジョアンナ、 陽の光が―――陽の光が貫いている。お前の―――。 (恥ずかしくなって彼は見るのをやめる) 駄目だ!神よ! 我を救い出し給え! (膝をついてがっくりする) 我を救い出し給え! (自分の服を引き裂き始める) ぼろぼろだ! ぼろぼろだ。 ぼろぼろだ…。 (すでに腰まで裸になって、テーブルから鞭を取り上げる) ジョアンナ、ジョアンナ、 私は影からお前を見守っている。 お前は窓の前で溜息をつき、 街を見ている…。 お前の唇はくっきりしている、ジョアンナ。 それは若く、柔らかく、美しい―――。 (自分を鞭打つ) 神よ! (再び何度も打ちながら彼は歌を続ける) 我を救い出し給え! ふしだらな邪念よ、我から立ち去れ! ジョアンナ、ジョアンナ、 私はお前を無垢のうちに留め宝物のように扱った。 そして実の娘のように愛した。 お前は私を台無しにする。ジョアンナ。 お前はその無垢な様子で私を誘惑する。 お前はそのびくびくとした様子で私を誘惑する。 (自分を鞭打つ) 駄目だ! (再び何度も打つ) 神よ! 我を救い出し給え! こんなことは―――もうやめる! こんなことは―――今すぐやめよう。 たった今―――。 今すぐに…。 (落ち着きを取り戻して膝でドアの方へ進み、彼は再び鍵穴をを通して見る) ジョアンナ、ジョアンナ。 もはやお前を留めては置けぬ。 お前の窓には世界が見えている。 お前は飛び立ちたがっている。 お前は私の心を掻き乱す。ジョアンナ。 えらく突然女らしくなった。 もう一日でも、お前を見守ってはいられない―――! (再び自分を鞭打って狂乱する) 神よ! 我を救い出し給え! 神よ! 我を救い出し給え! 神よ! 救い出し給え――― (最高潮) 神よ!! (喘ぎながら、彼は弛緩する。再び自制心を取り戻したとき、彼は服を着始める) ジョアンナ、ジョアンナ。 私は永遠にお前をここにつないでおこう。 私は明日お前と結ばれるのだ。 ジョアンナ、ジョアンナ。 世間のものには決して触れさせぬ。 私は明日お前と結ばれるのだ。 年が過ぎるにつれ、ジョアンナ、 お前は孤独な私を思いやるようになるだろう。 もはや娘としてではなく、一人の女として。 (彼は再び服を全て着る) ジョアンナ、ジョアンナ。 私はお前を永遠にここに留めておこう。 そして、お前を窓には近付かせぬ。 そうだ、私を救い出してくれジョアンナ。 この身に巣食う灼熱の悪魔から救い出してくれ。 お前の柔らかく白く冷たい乙女の手の平で…。 (再び威厳を取り戻し、聖書を取り上げる。 彼は鍵を取り出してドアを開ける。 鍵は鍵穴に差し込まれたまま忘れられる。 ジョアンナは飛び上がる) 〔ジョアンナ〕 お父様! 〔判事〕 ジョアンナ、また窓の側にいたのじゃないだろうね。 〔ジョアンナ〕 (判事の述話の間、彼女の目は鍵穴の鍵に注がれている) そんなことはほとんどなかったですわ、お父様。 この三日間、窓が閉められて柵がされているのに。 〔判事〕 至極真っ当なことなのだよ。そんな用心を強制しなくてはいけないのも。あいつがもう一度やってきたからね。あの道徳心に欠けた若い船乗りが。 十回もあいつは私の家のドアから追い出されたというのに、まだ…。 (情欲に襲われ中止して彼女を見つめる) そのふんわりとしたモスリンのドレスを着たお前は何て可愛く見えるんだろう。 〔ジョアンナ〕 ただの古いドレスですわ、お父様。 〔判事〕 しかし、お前の若々しい体型に良く似合っている。天使が羽をつけているのよりもね…。 ああ、もし考えられるとしたら…。 〔ジョアンナ〕 (慎ましやかに、ドアの方へ移動してゆく) 何を考えるんですって?お父様。 〔判事〕 もしお前がその若いごろつきをその気にさせてしまったと考えられるとしたら…。 〔ジョアンナ〕 (判事が話している間、彼女は鍵穴から鍵をそっと取り出し、それをドレスの中に隠す) 私が?揺り籠にいる頃からしつけられ、物心がついては慎みと全ての美徳の内で最善のものへの忠誠に身を捧げている乙女が? お父様、あなたが殿方の邪(よこしま)さについて私に警告する事をおやめになったことがいつあって? 〔判事〕 堕落した街の若造どもの念頭にあるのは一つの思いだけだ。 しかし、違う男もいる。遥かに貴種である男達が。 私はお前に関して念頭に一つの思いがある。 〔ジョアンナ〕 思いがあるですって? 〔判事〕 ある紳士がいる。お前を浮世のあらゆる煩いから守り、お前の覚つかぬ歩みを女性性が本来持つ温和さへと導く人間だ。 夫で―――庇護者で―――それでいて熱烈な恋人でもある。 これまでの年月を通して、お前の愛情をきっと得ているはずの男だ。 (膝を落としてつく) 〔ジョアンナ〕 (驚いて呆然とよろめく) あなたが―――!?!! (暗転) |
※ジョアンナを覗くのを止めようと言っているようで、自分を戒めて鞭打つことを止めようと言っているようにも取れる文になっている。 |
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